HP ProLiant ML110 G6のファン交換と静音について考えてみる 作業編
前回までにML110 G6のファンについては理解できましたので早速静かにするための手段を考えていきたいと思います。
静かにする方法
静かにする方法は、大きく分けて二つあると思います。
- ファンの回転数を下げて静かにする方法
- 静かなファンに交換する方法
1は、既存のファンを有効に利用できますがファンコントローラーを作るか、購入しなければならなくなります。
速度や静音性のバランスを任意で決めることが出来ますのでこれはこれで魅力的なチョイスです。
欠点をあげると言えば、ML110 G6のコネクタが特殊なためにコネクタの改造が必要になってくることだと思います。
また一般的なファンコントローラーはマザーボードに対して回転数を返す仕組みが無いものがほとんどです。
そのためファンの回転数はマザーボードに返してあげられるようにシンプルな電圧コントローラーを自作して接続する必要があります。
2は簡単で、マザーボードがエラーにならない程度の回転速度あり、静かなファンを選ぶだけです。
1も非常に魅力的だったのですが、手持ちの部品に3端子レギュレータが無かったので2の方法を選ぶことにしました。
エラーにならない回転数とは
それでは、ML110 G6がエラーと検知しない回転数を調べなければなりません。
方法としては電圧コントローラーでファンの速度を可変させマザーボードの閾値を調べていけばわかると思います。
このときファンはML110 G6に付いている標準のファンではなく最大速度が ***** のこのファンを利用します。
標準のファンはPWM制御なので、単純に電圧で制御できるファンで確認したかったためです。
まず、ケースファンから電源の電圧とGNDの信号を抜き取りこの先を電圧コントローラーに繋げて回転させる。
これで自由に回転数は制御できるのでエラーとなる閾値を探る。
ただし、この結果は電圧でのファンの精度は不安定なため、だいたいの目安としてご覧ください。
速度は、BIOSのIMPIのハードウェアモニターで確認する。
リアファン
約2000rpm | ○ | 問題無く警告灯が点くこともありませんでした |
約1500rpm | ○ | 問題無く警告灯が点くこともありませんでした |
約1400rpm | ○? | 一瞬警告灯が点いたりしました |
約1300rpm | △ | 警告灯が点いたり消えたりします |
約1200rpm | × | 警告灯はほぼ点きっぱなしです |
以上のようのことから1400rpm以上の物ならほぼエラーにならずに使えると思います。
安全を考えて1500rpm以上の物が良いと思います。
CPUファン
約2000rpm | ○ | 問題無く警告灯が点くこともありませんでした |
約1700rpm | ○ | 問題無く警告灯が点くことも有りませんでした |
約1600rpm | ○? | 一瞬警告灯が点いたりしました |
約1500rpm | △ | 警告灯が点いたり消えたりします |
約1400rpm | × | 警告灯は点きっぱなしになります |
以上のようのことから1600rpm以上の物ならほぼエラーにならずに使えると思います。
安全を考えると1700rpm以上の物が良いと思います。
ファンが不安定な要素として、ファンは電源を入れてからすぐに回転数が安定するわけではありません。
モーターですので徐々に速度があがり、安定稼働します。
また、安定稼働したからといってずっと一定の速度で回転できるとは限りません。
そのためお店のファンのパッケージを確認すると2000rpm ±10%などの表記になっていると思います。
上記の結果でも一瞬警告灯が点いたりするのはそういった速度のムラを検知するためだと思います。
おそらく、リアファンの閾値は1300rpmで、CPUファンの閾値は1500rpmあたりなのではないかと思います。
ただそんなわけでファンの速度が一定でないためエラーが検知されたりするものだとおもいます。
僕が選んだファンたち
せっかくなら良い物を買おうと思っていたのですが、CPUファンはPCI-Express x16のスロットに干渉してしまって市販のファンなんか取り付けられそうにありません。
で、とりあえずサイズ的に選んだ物がLGA775のCore 2 Duoのリテールファン。
ハードオフをあさっていたら、500円で出て来ました。
ヒートシンク中心が銅になっていてセレロンのよりは良さそうです。
Cure 2 Duoのマシンは別のマシンで組んだことがあって、静かな方だなーと思っていたので買ってみました。
調べたところ回転速度はだいたい2000rpmぐらいからのようでしたのML110 G6にも対応可能だとおもいます。
cpuはコアのダイレクトな熱を放熱させますので、信頼度と小ささ、そして静音性を兼ね備え、ついでに4ピンファンだったのでコレに決めました。
お気づきだと思いますがLGA775では、ソケット違うじゃん!という突っ込み入れられそうですね^^;;
しかも、リテールファンはネジ固定式ではなくプラスチッククリップでの固定ですのでそのままではもちろん取り付けは不可能です。
リテールファンの構造を見てて思ったのですが、このクリップ外したら普通にネジで固定できるんじゃね?w
というもくろみはちゃんとありますので、下記のようにしてクリップを外します。
次に固定させるネジです。
左が、その辺で売って居るであろうパソコン用のミリネジ。
右が今回使う、僕のネジコレクションにあったミリネジ。
ご覧のように長いです。
ネジの部分が1cm以上有れば固定は出来ると思います。
このちょっと長めのミリネジはどこのご家庭にもあるという代物ではないかもしれませんね・・・
僕は別のパソコンのジャンクが出たときはネジとかも取っておくので結構こうゆうのが残っていたりします。
ネジ規格的には、パソコン用のミリネジで合いますので探せば売っているのかも。
続いて。コネクタの加工。
写真中、ML110 G6のファンコネクタ、右が今回購入したLGA775 リテールファンコネクタ。
見てのように形状が違います。
ただ、穴のピッチは一緒ですので、ケーブル自体を入れ替えてやるだけでそのまま使えます。
入れ替えこの様に精密ドライバーを使ってこの辺にあるピンのツメを外して・・・
ケーブルを引き抜きます。
無事抜けました。
これを左右を入れ替えます。
上記の写真左がML110 G6のファンコネクタです。
もしかしたら色が個体によって違いがあるかもしれません。
参考程度に見てもらって僕の上記の写真のケーブル色でのそれぞれのアサインは左から
青:PWMパルス入力
黄:回転数
赤:電圧
黒:GND
この順番で刺さるようにリテールファンのコネクタを入れ替えました。
あとは、マザーボードにねじを締めて固定します。
はい、問題無く固定できました。
PCI-Express x16のスロットとの干渉もまったくなしです。
さすがIntelリテールファン。
この状態で電源を入れて動作を確認しましたら、無事ファンは回りました。
むしろ音がかなり静かになって感動!
そして用意したケースファンはこちら。
ゴルフボールのような羽形状がすごいファンですw
でも、9センチファンとしてはかなりの静音性が確保されていると思います。
お値段もお手頃です。
近所のケーズ電気で規定回転数以上で、一番静かな物を選んだらコレになりました。
これは3ピンコネクタですがエラーにだけならなければ問題無いので。
購入はこちらからどうぞ。
固定用のゴムに取り付けをして・・・
出来ました^^
僕のケースは側面に20cmの排気ファンが付いてるので、廃熱は十分に行われます。
そのためそもそもがリアファンは付けられる構造になっていません。
仕方がないのではじめからついていた取り付け用ゴムをつかって、リアの排気用の穴に固定してますw
僕の方は、以上の構成でうまく稼働させることに成功しました。
エラーも出ていません。
CentOS上から、回転数と温度が確認出来ますので・・・
グラフ的にはこんなかんじです。
どのタイミングで交換したのかわかりやすいグラフです。
CPUファンをダウンフローにしたことで周辺の熱も廃熱しているようですね。
ちなみに、この日の室内温度はほぼ30度を超えていたと思います。
申し分ない冷却ですね。
音は、ML110 G6のファンから比べたら天と地の差です^^;;
無音とまでは行かないまでも、気にしなければわからない程度にまでになりました。
とくにあるゴルフボール羽形状のリアファンは単品での動作試験の時、ほとんど音がしないとかなり気に入っています。
値段も手頃なので、リアのファンの交換にはおすすめです。
関連のありそうなエントリ
ESXiサーバのメモリを32GBにしたくG6を手に入れましたが、FAN音に悩まされこのサイトに来ました。
リアFANは同じものを買い、ケーブル入れ替えですんなり行ったのですが、CPUFANでちょっと嵌りました。
家にあったLGA775のコネクタの突起を削り、元のケーブルの色を見てFANのケーブルを入れ替えましたが動かず。。。
1日悩み、他のサイトでM/B側の突起を削って反対に刺したらOKとあったので、丸々反対にしたら動きました、こちらに載せている写真の通りでした。
Celeron用のFANでも30℃で安定しています、ありがとうございました。
更に念を押して、HD内臓部の網カバーに9cmFANも増設しましたが、こちらは今のところ効果が見られないです。。。
G6の最初の難関ですよねw
自分はOWL-FY0410Mをファンコンで始動できるぎりぎりまで回転数を絞り、
回転数の配線だけを分岐させてマザー側のCPUファン、ケースファンの回転数コネクタに差して回転数偽装してます。
CPUファン、ケースファンは2つともSF9-S1に交換しました。
ZALMAN FAN MATE 2(ファンコン)
オウルテック OWL-FY0410M(回転数偽装兼チップセット冷やし用)
オウルテック SF9-S1 2つ
エーモン工業 E488(回転数分岐)
Ainex EX-002(マザー側端子用)
Ainex WA-090(分岐からの延長)
この辺アレンジして使いました(^^)
ちなみにファンの電源はペリフェラル4ピンから取っていて、負荷時も50℃いかないです。
2代目の爺6さん、こんにちは。
回転信号の分岐はすばらしいアイデアですね!^^
CPUファン回転数の閾値を超えているファンならば、リアファンの閾値は必ず超えますのでその信号はそのままリアファンのコネクタに流せばエラー自体は発生しなくなりますね。
確かにその方法ならリアファンは適切なエアフローだけ選べばいいことになるので考えることが減るので楽になりそうですね^^
分岐がエレクトタップというのがお手軽でまた良い!
しかもCPUファン自体をファンコントローラーにするというのは行き届く配慮ですな。
P.S.
前回のUSBコネクタの件、ありがとうございました。
無事逆差し防止用の詰め物抜けまして、せっかくなので簡単に記事にさせていただこうと思います。^^
了解です。
参考にしてやってみます。
因みにグラボはHD4350で特段問題ありませんでしたよ?
それでは。
拝見致しました。
ファン交換したくてググっていたらここに。
リテールファンのアサインですが緑が電源でしょうか?
届いたばかりですがやってみようと思います。
余りにも爆音なので。
とりあえずwin7入れてみましたw
それでは宜しくお願い致します。
ご覧いただきましてありがとうございます。
こいつあまりにも爆音すぎますよねぇ^^;;
夏場のコイツの五月蠅さは、一緒に部屋にいたくなくなるレベルです。
リテールのファンは、Intel Coreシリーズのリテールファンのアサインでよろしかったでしょうか。
記事中に載っているアサインは、ML110 G6のアサインを紹介させていただきました。
ご質問いただいたIntel Coreシリーズのリテールファンのアサインについでですが、おそらく緑は電源ではなかったと思います。
写真に載っている順番がアサインだと思います。
青:PWMパルス入力
緑:回転数
黄:電圧
黒:GND
帰ったら確認させていただきます。
もう少々お待ちください。
上のピンアサインで僕のファンは間違っていませんでした。
ラインの色で判別するより、コネクタの位置で確認された方が確実だと思います。
アサインについては、こちらのサイトをご参照して頂くとわかりやすいです。
CPUクーラー wiki様