中華バギー(ATV) スイングアーム ピボット部分のベアリング 点検・改善
去年、取り付けたピボット部分。
今年どうにも動きが渋い
なんだか今年は荷重がかかると、ギーコギーコと音がするようになりました
梅雨の長雨で、ベアリングが錆びて固着したかなぁ??
一応オイルシール入れたし、しこたまグリースも入れたしなぁ・・・
動き自体は稼働するんだけど何となくなめらかでは無い様子
とりあえず、その辺を走ってみるとギャップを拾う度に盛大にギコギコうっさい
ってか蛙でもピボット部分に住み着いているんじゃ無いかっていうぐらい、ギコギコいいます
いくらなんでも明らかにおかしい。
ニードルベアリングってそんな簡単に逝かないだろうし、あれだけのグリスはいくらなんでも蒸発はしないよなぁ・・・
ってかこのゲコ太号に乗っていると恥ずかしいので、早々に退散
家に帰って速攻で分解してみました。
外すときにすでに嫌な予感・・・
ベアリング自体は、アキシアル方向に動きますが・・・中のカラーが噛んでる
つまりカラーの中で強引にロングボルトが回っているだけです
これでは改造前の状態と同じじゃん
というわけで、カラーをニードルベアリングからたたき出してみました。
あぁ・・・
ニードルベアリングがカラーをしっかり噛んでしまってます
カラーにニードルが食い込んだ後がくっきりと出ています。
凄いのはニードルベアリング。
こんなにしっかり噛んでも、動き自体はまったく問題なし。
さすがにピボット部分に使用されるだけのことはある。
とはいっても一度かじったベアリングは怖いので再利用はしませんけどね
ということは問題はベアリングではなく、そのカラーに問題があるんですよね。
ただ、こうなってしまった原因ですが・・・その答えはすぐにわかりました。
カラーを抜き出すときに、少したたき込んでやるとするっと入って最後また抜くときに重くなりました。
カラーの寸法を測ると中心部分はベアリング内径の16mm、両端部分は16.8mmとなんだか膨らんでます
もちろん製作したときは、全ての太さが均一で16mmでした。
ではなんで両端が広がってしまったのか??
まぁ、去年入れるときから気にはなっていたのですよ。
カラーの内径が12.5mmぐらいだったんですよ。
ちなみに、ピボット部分のロングボルトの外径は11.5ぐらい。
つまり1mmほどガタがある・・・
すでに広がったカラーにロングボルトをさした写真ですが見た目これほどガタがありました。
これが普通のベアリングだったらそんな問題にもならなかったのかも知れないのですが、相手がニードルベアリングですので内部には円錐のコロにカラーが強い力で当たるとそこに食い込まれるわけですね・・・
つまりピボット部分の1mm程度のガタによるインパクトです。
スイングアームですから、いろいろな衝撃がかなりの力がかかりますのでそんな適当な加工をしたのではあっという間にダメになってしまうと
さすがに精巧なベアリング相手に適当な加工は御法度ですね。
というわけで、カラーの作り直しです
前回は、手近に転がっていたパイプを加工しました。
まぁ、そもそもその適当さが徒となったわけなので。
今回は鉄棒から旋盤加工でパイプを作ります。
ちょうど外径16mmの鉄棒はいくらでもありましたのでそこに内径11.8mmの穴をあければガタなしのパイプが出来ます
加工も簡単だしさくっといっちゃおうーと息巻いて作業にあたりましたが・・・
さすがにφ12の穴を150mm空けるのは思っていたより苦労しました
ってか、切り子の量が半端ない
おまえは増えるわかめかっ!ってぐらいの切り子でした。
その甲斐あって完成品のクォリティは抜群です
どうですかこの精度
公差は0.1mm以下のハズです
カラー中央部分のの寸法は測れないので何ともですが両端の内径はきっちりφ11.8です。
ロングボルトがφ11.5~6ぐらいなのでちょうどいいでしょう
これなら片側にインパクトがかかることは無いハズです。
両方に均一に力が伝われば今回と同じ現象にもならないでしょう
ここまではするっと組み付けで来るのですが・・・
予想外に苦労したのは、ロングボルトを通すところ
ハメ合いにほとんど公差が無いので、通すのにえらい苦労しました
暑い中の作業だったので、30分ほどでも汗だく。
これで同じ現象にはならないと信じたい・・・
この結果はまた来年ですね
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