中華バギー(ATV) スイングアーム ピボット部分のベアリング化
スイングアームピボット部分に異常を発見して、問題部分をパージしました。
> 中華バギー(ATV) ピボット部分のゴムブッシュの抜き取り
で、最終的に考え出したのがベアリング化
今まではピボット部分にカラーとシャフトで可動していた部分が、ベアリングによってスムーズな動きになる効果が期待出来ます。
個人的にベアリングは大好きです
その効果も、精巧な作りも、そしてなにより使用した箇所のがっちり感
精度の高さもさることながら、金属の組み合わせであんなにもスムーズに回るのかとホントに感心してしまいます。
しかもそれだけ精度が出ている精巧な製品なのにもかかわらず、かなり安価で手に入ること。
ライン製造の強みと言えばそうなのですが、ベアリングメーカーの企業努力にはほんと頭が下がります。
というわけで、この際可動部分のベアリング化でも いろいろ考えようかなぁと計画中。
そのとっかかりとしてこのピボット部分。
試行錯誤をしたいので、ニードルベアリングも2種類用意してみました。
ニードルベアリングの口径の寸法は外径22mm、内径16mmです。
左と右の違いは、ベアリングの幅で左側が16mm 、右側が22mmです。
もちろん幅広の方がカラーの安定度も増すので幅広い方がとても大きなメリットなのですが、深く挿入されるため組み付けの精度が問題です
前回の記事で丸くないピボット部分を紹介しましたが、幸いあれは表面をさらうとそれなりに丸っぽくなりました。
とはいっても丸っぽいだけで実際は横方向では、21.77 mm、縦方向で、22.19 mm でした。
0.4mmほど楕円になってしまっているようです
この程度なら正直中華製なら許容範囲かなぁ。
ニードルベアリングは構造上、アキシアル方向にはあまりずれることはありません。
つまりそれほどきつく圧入する必要はないのです。
軽くゴムハンマー でただく程度で徐々にはまっていくぐらいのはめあいが理想的です
逆に圧入をするとニードルベアリングは幅が広いので、抜くのにえらい苦労します
そんなニードルベアリングを現状のまま挿入を試みますが、案の定入る気がしません
もちろん楕円なことも問題ではありますが、そもそも口径も多少の違いもあるのだと思います。
すんなり入らないことは想定内なのでリューターに表面研磨用のペーパーの歯を付けて繊細なタッチで内部のはめあい幅を調整します
広くしすぎでガバガバになってしまったらもうアウトです
何しろこのバギーのピボット部はフレームに付いている部分なため交換もききません。
かなり真剣で慎重です
そんな繊細な調整の甲斐もあって無事、幅22mmのニードルベアリングのはめあい幅の確保に成功しました
さすがに 22mm 奥行きで確保するのは難しいかとおもったのですが、リューターのペーパーが思いの外素直な働きをしてくれました
ちなみに、もう片側は入り口付近はガバガバでした
ありゃ?こりゃ、まずいか??
よくよく考えて見るとそりゃぁカラーも無い状態でスイングアームに暴れられていたのですから、多少拡張もされてたのでしょう
冷やっとしましまたが、内部は少しキツイぐらいの状態だったので、同じ要領で適切なはめあいを確保しました
その後自作のカラーを旋盤加工します。
内径12、外径18のパイプがちょうど端材であったので、外径だけをベアリングの内径16に合うように軽く表面をさらいました
長さは、ピボット長に合わせて147.8mmぐらいで調整しました。
先ほど説明でニードルベアリングのアキシアル方向のズレはあまりないと書きましたが、「あまり無い」だけで「完全にない」わけではありません。
悪路走行などが重なれば徐々にずれることもあると思います
というわけで、もう一個カラーを作ろうか・・・と思ったのですが。。。
アキシアル方向への力はかかりにくいわけだし、そんなシビアじゃないだろう
という結論に自分の中で至りまして。。。
いやいや、決して面倒くさかったとかじゃあありませんよ。
いやぁそりゃあったら良いんだろうけど・・・ そこまでの必要はないかなぁとか・・・ うんうんきっと平気(ぁ
とにかく要はニードルベアリングが深く圧入されないようにするだけでいいわけなので。
ホムセンで安かったアルミの薄手の板を買ってきました。
100mm×500mm×0.5mm 198円です。安いです。素敵です
コイツを、両端のニードルベアリングの間にはまる適切な長さ (92mmぐらいだったかな) に切断して、あとは丸状に加工。
適当な鉄棒に巻き付けて、切ればOK。
他のモノ切れなくなっても良ければその辺のハサミでも切れるので、加工はすごく楽
出来た円柱のアルミスペーサーを両端のニードルベアリングの間に挟まるように、最初に挿入します。
ココまで来るともう完成は見えてきましたね。
あとはニードルベアリングに丹念にグリスを塗りたくって挿入。
最後の仕上げにニードルベアリング用のオイルシールを準備します。
このオイルシールをニードルベアリングの外側にはめます。
最後に自作のカラーを挿入すれば
でっきあがりー
一番のハードルとなるのがカラーの旋盤加工だとおもいます。
それさえなんとか越えられれば、それ以外に難しい問題は無いと思います。
結果使用したニードルベアリングは、外径22 内径16 幅22のニードルベアリング
NTN製 HK1622ZWD です。
1個340円ぐらいでした。
あとオイルシールが日本トムソン製 DS16223 で、1個280円ぐらいだったと思います。
予備も買いましたが、実際使用した部品は1500円程度で改造出来ました。
基本改造には金をかけずに、自分の創意工夫で出来る範囲での最高のパフォーマンスを引き出すことを考えるのがすごく楽しい時間ですね。
この改造の結果、走りにどう影響したのかはまた次の記事にでも。
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