中華バギー(ATV) デファレンシャルギア(デフ)の異常を調べる 分解を試みる
中華バギーのデファレンシャルがあまり具合が良くありません
> 中華バギー(ATV) スピードメーターがおかしい??
状況から考えて乗れば乗るほど悪化するハズなので 、もはやこのデフは部品とするのが妥当と判断しました
とは言っても、故障した原因は追及しないと今後に全く生かせないのでデフの異常の箇所を研究してみようと思います
まずは現状から把握してみます。
デファレンシャルギア(以下デフギア)本体はホーシングの間に収まって左右のトルク配分をコントロールする優れた機構です
日本語で言うところの「差動歯車」ですね。
コーナーを切るときに4輪車では内輪と外輪の回転数には違いが出てしまいます。
その差を補って外輪は高速に回転させ、内輪は低速に回転させる仕組みになっています。
車幅が小さい車両ならその差も大きくないので、バギーでは割り切ってこの仕組み自体を取っ払ってしまうのもアリです
中華製のデフギアは故障率の高い問題の箇所でもありますので、ある意味メンテナンスが楽になるというメリットも大きいです。
この辺のうんちくは、Wikipediaさんあたりに、詳しく載っていますので気になる方はご参照ください。
> Wikipedia – 差動装置
最初にこの仕組みを考えた人はホントにすごいですね。
構造を見てしまえばなるほどと思いますが、ひらめきを絞り出すのはなかなかに難しいです
さて、僕の故障状況を確認してみましょう。
気がついたのは、スピードメーターがこのデフギアからの回転信号を受けられなくなったことからでした。
回転信号はデフギアのスプロケット側面に付けられた磁石からセンサーが回転数を拾います。
つまり、デフギアのスプロケットとスピードセンサーとの距離は一定間隔でなければ正常に機能しません
上の写真はデフギアを正常な位置に戻してある状態です。
下の写真は異常な状態で、デフギアが写真左に寄ってしまっています。
デフギアのネジがホーシングの固定箇所にヒットしてしまっていることがお分かりになるでしょうか
走行時のシャフトもしくはデフギアの回転によってなんらかの部品が摩耗してしまっているのでしょう
そもそもデフギア自体は正常な状態なら左右にずれるということはあり得ない状態なのだと思います。
おそらくは中華お得意のベアリング系かもしれないですね
前輪についていたベアリングは思ったほど悪くないものだったので、リアのベアリングも大丈夫かと油断して点検を怠っておりました
もっと早くに分解、点検が必要だったようです。
何となく状況は理解できたのですが、ちゃんと故障箇所を見ないと今後の役に立ちませんのでデフギアの分解をしてみたいと思います。
デフギアは、左右からのシャフトで串刺しになっています。
つまり左右のシャフトをまず抜いてあげる必要があります。
タイヤを外します。
その後ブレーキなども取り外します。
オイルシールが付いてますので、こちらのオイルシールも外します。
オイルシールは再利用することを考えているようでしたら出来るだけ丁寧に外しましょう。
僕のはちょっと使えないですね
リアホーシングの外側のオイルシールです。
サイズは 32-52-8 であることが写真からも確認出来ます。
外した部品達です。
オイルシールを外すとシャフトの脱落防止にホーシング内部にスナップリングが付いています
上の写真の写真中央にある部品です。
これは、先の長いラジオペンチやもしくはスナップリングを外す専用の工具もありますのでそれらを使って外せます
次の工程に移る前にかならずこのスナップリングを外しておいてください。
スナップリングを外さないとシャフトは抜けません
この状態でシャフトが抜ける準備が出来ますが、ベアリングが圧入されているので並みの力では引き抜くことは出来ません
シャフトを抜くには圧入されているベアリングを外す必要があるためインパクトショックも必要になります。
下の写真のようにハブだけを取り付けます。
ハブを取り付けたら、あとはゴムハンマーで外側にひっぱたいてやればベアリングがホーシングから抜けてくるはずです。
ハブを叩くときは、一箇所だけではなくまんべんなく全周を叩くように心がけてください。
対角線になるように4箇所を叩く位置を決めてまんべんなく叩くと抜けやすいと思います
5分ほど叩くとこんな感じにベアリングが抜けてきました
しか~しっ!!
そうすんなりと行かせくれないのが中華バギーの怖いところ
写真のようなぐらいまで抜けてきたものの、30分ほどたたき続けましたが これ以上一切抜けてくるコトは有りませんでした
ホーシングの取り付け穴がベアリングをしっかり掴んで放してくれないようです
さすがに疲れたので今回はこの辺で・・・
何とか抜く方法 を考えねば・・・
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